イプシロン-デルタ (数学ワンポイント双書 20)
イプシロン-デルタ (数学ワンポイント双書 20)
田島一郎(著)
大学数学でまず初めに躓くのがε‐δ論法(イプシロンデルタ)じゃないでしょうか。
高校までで習ってきた数学との違いに困惑する人は多いと思います。私もそうでした。
簡単な例として、1/nのnを無限大にすると0に近づくということをε‐δ論法で証明
したりしますが、初めのころは内容もしっくり入ってこないし、なぜそんな自明なことをわざわざε‐δ論法で証明しないといけないのか憤りさえ感じてました(笑)
そんな中、出会ったのがこの本です。
「ε‐δ論法」をはじめとした大学数学の導入部分をわかりやすく説明して、
スッと理解できたのを覚えています。一度、理解できると高校数学ってすごく
あいまいにやっていたんだなあって感じました。
高校の時に感じた違和感(証明などがいまいち納得いかない、なんかロジック的に変な感じがする)はこれだったんだなって分かったのを覚えています。そのころから徐々に大学数学っておもしろいなって思うようになりました!
高校まで数学が好きだったのに、大学に入って嫌いになりそうな方は、
ぜひこの本を手に取ってみてください
解析入門 (1)
解析入門 Ⅰ
杉浦 光夫 (著)
大学で初めて買った数学書。
数学科向けの厳密な教科書です。
難解との評判もありますが、個人的には疑問に感じたことの
答えがきちっと書いてあるので消化不良を起こさず勉強できる
いい本だと思います。
分量が多いため、完読するには非常に時間がかかりますが、
証明の行間を埋めながら1歩ずつ読んでいくことで、
数学をやっていく上でベースとなる、論理的思考や証明力が
身につくのではないかと思います。
1つ注意なのは、数学は、「証明を追っていく作業」と
「実際に定理などを使う作業」により力がついていくのではないかと
思いますが、この本では、「証明を追っていく作業」の方に注力しがち
になるので、別の本(演習問題集など)で実際に使っていく訓練を合わせて
行っていくと良いのではないかと思います。